前回の続きで、辛味、苦味、鹹味(かんみ、塩味のことです)についてです
辛味
辛味も温度が高いと蒸発して気化することが多いです。
酢と同じように、粘膜に直接刺激が刺さってきます。
粉辛子をお湯で練ってたら涙が止まらなくなるという経験は、
調理をする人の多くが感じたことのあるのでは無いでしょうか。
温かい料理には注意が必要です。
苦味
日本料理で苦味の強い食材と言えば、
フキノトウなどの山菜類やゴボウのような
一部の根菜類でしょうか。
揚げたての天ぷらと、時間が経って冷めた天ぷらを
食べ比べてみたときのことを考えれば簡単にわかります。
これは温かいものは感じにくく、冷たければシッカリと感じます。
強すぎる苦味は好まれないことが多いので、
冷たい料理に苦味のある食材を使う場合は、
苦味の原因であるアクをシッカリと抜くか、
酸味や甘味と組み合わせて調理するという工夫が必要です。
鹹味
鹹味(かんみ)とは塩味のことです。
塩味と温度の関係は、
覚えなくてはいけない必須の感覚です。
日本料理では一番大事と言っても過言ではない「お椀の吸い地」のことです。
同じ濃さの塩分でも、温度が高ければ
あまり感じにくくマイルドな印象になります。
逆に温度が低い料理ではシッカリと感じるようになります。
醤油や味噌の味も鹹味(かんみ)のうちの一種です。
日本料理では一番大事な味のうちの一つでは無いでしょうか。