和食は、なぜ健康に良いのか
結論から先にいいますと、
【偏った食事をしないのが究極の健康法】だからです。
これに加えて【腹八分目】であれば、
まさに理想的な栄養補給だと言っても言い過ぎではありません。
どのように優れた栄養素であっても、
「良いことずくめ」というものは一つもありません。
プラスの面があれば必ずマイナスの面もあります。
あらゆる成分は、ヒトの体内で、
「良い作用」「悪い作用」の2つの顔を持ちつつ、
その時々の条件によって良いこともすれば悪いこともする。
極めて微妙な綱引き、バランスと言えます。
したがって、「良い食品だけを食べているから大丈夫」
ということにはならないのです。
もちろん悪いものだけを食べるのは論外ですが。
つまり「これだけ食べていれば健康になる」
という食品も分かっていないということです。
分かっていなければ方法は一つしかありません。
「成分同士を体内で常に拮抗させる」です。
「偏食をしない」
「できるだけ多くの種類を食べる」
理想は1日に30品目の食品を食べることです。
あとは、自分の体内に存在している
「バランス機構」が無意識に、
仕事をしてくれます。
カロリーオーバーにならず、
これだけの種類を食べられる料理。
それが和食になります。
他国の料理も、やろうと思えば出来ないことはありませんが、
料理の品目を増やすと、どうしてもカロリーが過剰になってしまうのです。
具体的には脂質の過剰です。
和食の材料は、伝統的に脂質が極めて少なく、
そのぶん炭水化物が多くなります。
しかし、炭水化物が良い結果を生じるのは
「食物繊維がついている場合」であり、
これを排除した炭水化物、
つまり「糖質のみ」になると、
マイナス面が多くなってしまいます。
近年は野菜や魚の摂取量が著しく減少しており、
そのぶん加工された食品の摂取が激増しています。
これは野菜や魚に含まれる微量栄養素の減少を招いていて、
食物繊維も同様に摂取量が激減してしまう結果になっています。
加えて油や砂糖を多用する料理が日常的になっています。
微量栄養素は、糖やタンパク、
そして脂質の代謝に欠かせない物質です。
その微量栄養素が少なく、
腸に作用して排泄を促す食物繊維も減っている。
こうしたことが、カラダの内部に
脂肪を増加させてしまう結果になっています。
さらに、糖尿病になる日本人が激増しています。
これらのリスクを減らすためにも、「1日30品目」が
見直されなければなりません。
幸いにして我々には「生きた見本」が身近に存在します。
90歳になっても元気でおられる長寿のお年寄りたちです。
こうしたご長寿の日本人が、
「35歳までに食べていた和食」 その内容にこそ、
現代日本の大きな問題【飽食・メタボ・膨大な医療費】、
これらを打開する大きなヒントがある筈です。